コーヒーカップに注がれた1杯のコーヒーを、視覚・嗅覚・味覚を使って感じ取って(記憶して)、それを言葉で主観的に表現してコーヒーを楽しむことがコーヒーのテイスティングだと、年老いた珈琲豆焙煎屋(このブログの管理人)は理解しています。
【参考】コーヒーのテイスティングについては、下のリンク先ページの記事も参考にして頂けます。
(目次)
コーヒーの色
1杯のコーヒーを飲むに当たっては、まず、コーヒーの色を見ます。
カップの中のコーヒーの色は、焙煎コーヒー豆の原料となっているコーヒー豆(生豆)の品質や品種、コーヒー豆の焙煎方法、焙煎コーヒー豆の挽き方、コーヒーを淹れる時の抽出器具などの違いによって、カップの中のコーヒーの透明度やブラウンの濃淡が変わります。
ちなみに、昭和の頃から、カップの中のコーヒーの色は「透き通った琥珀色」が良いとされています。
【参考】カップコーヒーの色について、下のリンク先ページの記事の記事も参考にして頂けると思います。
美味しさの秘密はコーヒーの香りにあり
コーヒーの美味しさの主役、それは間違いなく香りだと思います。
酸味・塩味・甘味・苦味・旨味という、味の基本5味は、舌の味蕾で感知されて脳に伝達されます。
しかし、この基本の5味がいかにバランスがとれている飲食物であっても、香りがなければ、美味しいと感じることは、まず有り得ません。
酸味・塩味・甘味・苦味・旨味などの味覚物質と一緒に、嗅覚細胞で感知された香気物質が脳に伝達されて、人は初めて、美味しさを感じることができます。
食品の中に香気物質の存在がなければ、その食品の美味しさの90%が失われると言われています。
コーヒーも、その例外ではありません。
コーヒーから香りを取り去ってしまうと、微かに甘味・酸味・苦味を感じるだけで、コーヒー本来の味である香味が、消えてなくなってしまいます。
風邪をひいて鼻の詰まった状態でコーヒーを口に入れても、弱い甘味・酸味・苦味を感じるだけで、よほど風味の完璧なコーヒーで無い限り、風邪をひいている時に飲むコーヒーは美味しくありません。
美味しさを感じる条件としては、いろいろな要件があります。しかし、香り(香気物質)の存在がなければ、ほとんどの食べ物は、味気ないものになってしまいます。
コーヒーの味
コーヒーの心地よい酸味は、高品質のコーヒー豆(生豆)の特徴だとされていて、苦味は、コーヒーの風味に不可欠な存在です。
甘味は、焙煎コーヒー豆の品質にとって欠かせない代物です。
それ以外に、コーヒーの味を表現するのにキレとコクという用語が使われます。
酸味や苦味を口の中で感じてもすぐに消えてしまって後に残らない時に使う用語がキレで、後味に残る濃厚なコーヒーの味わいを表現する用語がコクだと理解しています。
【参考】コーヒーの甘味、コーヒーの苦味、コーヒーの酸味については、下のリンク先ページの記事も参考にして頂けるかもしれません。
コーヒーの味わい方
カップコーヒーを供された時の味わい方です。
最初、少量のコーヒーを口に含んで、口の中全体にコーヒーがいきわたるようにしてコーヒーを味わいます。
同じコーヒーでも、そのコーヒーの温度によってかなりの違いが出てきます。
コーヒーが熱すぎると味や香りが判り難くて、コーヒーの温度が低いと甘味やボリュームを感じ難くなると言われています。
90度~95度くらいのお湯でコーヒーを淹れて、淹れたての熱い温度から60度くらいの温度になるまでに何回かに分けてコーヒーを味わうのが良いと言われています。
熱いコーヒーを口に含んでしばらくすると、甘味によるボリュームを感じることができて、その感覚がゆっくりと口の中に広がって行きます。
続いて酸味、そして苦味という順番でコーヒーの味を感じると言われています。
コーヒーを口の中に含み続けると、酸味や苦味のバランスを意識できて、コーヒーの味の余韻の長さや、飲んだ後の残り香も感じることができます。
ちなみに、新鮮で丁寧に焙煎している自家焙煎コーヒー豆を使って淹れたコーヒーの場合、コーヒーを口に含んでいると口の中で香りが広がって行きます。