「「世界で一番美味しいコーヒーの淹れ方」は、スペシャリティーコーヒー協会(SCA、Specialty Coffee Association)が主催するワールド・バリスタ・チャンピオンシップで、アジア人として初めて優勝したコーヒー淹れ方のプロが著した珈琲本(コーヒーの淹れ方がテーマの珈琲本)です。は、スペシャリティーコーヒー協会(SCA、Specialty Coffee Association)が主催するワールド・バリスタ・チャンピオンシップで、アジア人として初めて優勝したコーヒー淹れ方のプロが著した珈琲本(コーヒーの淹れ方がテーマの珈琲本)です。
珈琲本と言っても、プロやセミプロ向けではなくて、広くコーヒーに少しでも興味を持つ人たちをターゲットにしているように感じられます。

ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
- 作者:井崎 英典
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
家庭で美味しいコーヒーを
「世界で一番美味しいコーヒーの淹れ方」は、グローバルなコーヒーの世界で活躍している第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン井崎英典さんが著したコーヒーの淹れ方に関する珈琲本です。
家庭でコーヒーを淹れている人、あるいは、家庭でコーヒーを淹れてみたいと思っている人向けに、ペーパーフィルターを使ったハンドドリップコーヒーの淹れ方をアドバイスしている珈琲本だと年老いた珈琲豆焙煎屋は感じています。
プロやセミプロを対象として技術や理論を語るタイプの珈琲本では無いわけですが、プロやセミプロが読んでも十分に満足できる内容が詰まっている珈琲本だと思います。
グローバルなコーヒーの世界
グローバルなコーヒーの世界におけるコーヒーの淹れ方、特にペーパーフィルターを使うハンドドリップコーヒーの淹れ方についてですが、年老いた珈琲豆焙煎屋に理解できない部分が幾つかあったわけです。
井崎英典さんの著作「世界で一番美味しいコーヒーの淹れ方」を読むことで、その疑問点を払拭することができました。
コーヒーの世界は変化し続けている
年老いた珈琲豆焙煎屋は、コーヒーに関する基礎知識を1990年代に取得しています。それから、20年以上の年月が経過して、コーヒーの世界にも大きな変化が起こっていて、コーヒーの世界は完全にグローバル化しています。
「世界で一番美味しいコーヒーの淹れ方」は、家庭でハンドドリップコーヒーを楽しむためのアドバイス本だと思いますが、 1990年生まれで、グローバル化したコーヒーの世界の真っただ中で活躍している若い人が発信している数少ない珈琲本という価値を持っている珈琲本だと思います。
新しい発見
年老いた珈琲豆焙煎屋のコーヒーに関する基礎知識は、1990年代に取得したものです。ですから、グローバル化したコーヒーの世界から発信される珈琲情報に接しても、馴染めない事も多々あります。しかし、新しい発見をすることもあるわけです。
おそらく、前者よりも後者の場合の方が、最近では少し多いような気がしています。
今回、井崎英典さんの著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」を読んで、2つの大きな新しい発見をしました。それは、焙煎コーヒー豆を凍らせて粉砕すると粒子径が揃うという発見と、水の性質が微妙に変化してもコーヒーの風味に影響を与えるという発見です。
冷凍した焙煎コーヒー豆の粉砕
コーヒーを淹れる前処理として、焙煎コーヒー豆をミル(グラインダー)を使って粉砕します。しかし、業務用のミルを使って焙煎コーヒー豆を粉砕したとしても、粉(粉砕物粒子)の大きさが揃うことはありません。必ずバラつき(粒度分布)ができます。
このバラつきですが、同じ条件で焙煎コーヒー豆を粉砕したとしても、焙煎コーヒー豆を凍らせるとバラつきが少なくなる(粒度分布が狭くなる)という研究報告があるようです。
常温(20度)・冷凍(マイナス19度)・ドライアイス(マイナス79度)・液体窒素(マイナス196度)の4種類の焙煎コーヒー豆を、いずれも解凍することなく、すぐにグラインダーで挽くと、最も粒度分布を狭めグラフの歪度を高めたのは、液体窒素でした。その後、ドライアイス、冷凍、常温の順番で粒度分布(バラつき)が大きくなって行く・・・・・
世界一美味しいコーヒーの淹れ方P85より
コーヒー豆の焙煎と水の関係
コーヒー豆の焙煎と水の関係について、「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」の182ページに目からウロコ的な文章があったので、その部分を引用させて頂きます。
焙煎の仕上がりを確認するために、ロースターが真っ先に行うことは味のチェックです。その際の基準となるのは、紛れもなく水なのです。
焙煎における味作りは、味のチェックと焙煎の修正を繰り返しますので、その味わいはすべて味作り使用した水によって決まると言えます。
例えば、硬度の高い水を基準に焙煎した場合、硬度の高い水で美味しく抽出できるように焙煎のプロファイルが作られます。
さて、このコーヒーを硬度の低い水で抽出すると、ロースターの意図した味わいとなるでしょうか。おそらく、焙煎の焦げが目立つ結果となるはずです。
すなわち、抽出において重要なことは、その地域に適した水を使用することなのです。