都会の消費者は、好みのレストランのウェブサイトで、好みの料理を選択して注文するだけで、家にいながら、職場にいながら、レストランの料理を配達してもらえる時代になっています。
食品小売りのオンライン取引は、毎年毎年、取扱量を拡大させています。
その中には、簡単な調理だけでまあまあ美味しい料理を食べられるミートキット的な食品類も含まれています。
牛丼チェーンやレストランチェーンが販売している食品類も、オンライン取引で流通しています。
日経トレンディーが発表した「2017年ヒット予測」の第2位に、「魅せるミールキット」を選んでいます。
アメリカにおけるミールキットビジネス市場は、15億ドルに達しようとしています。
アメリカのある消費者調査で、ミールキットを利用する代わりに何を減らすかという質問で、消費者の半分はテイクアウトを減らすと回答して、30数%の消費者はレストランでの食事回数を減らすと答えていると、Restaurant Business Magazine のWebサイトが報じています。
www.restaurantbusinessonline.com
さらに、2020年には、会員制の出前ビジネスが、アメリカの消費者のレストランでの食事消費から約22億ドルを奪って行くだろうとする調査会社の予測を掲載しています。
Postmates(ポストメイツ)、Uber EATS(ウーバーイーツ)、Door Dash(ドアダッシュ)など、飲食店・レストランの宅配をサポートするビジネスの登場は、ミールキットビジネスにとっては脅威なのかもしれません。
しかし、消費者や飲食店・レストラン経営者にとっては、有益な存在なのだと思います。
オンラインを通じて、調理の手間が省けて品質レベルの高い食品類を入手できる時代に突入しているわけで、消費者が自宅や職場で、品質レベルの高い食事を手にすることができます。
そのような時代ですから、料理の配達は、飲食店・レストランの経営者にとっては、避けて通れない必須の競争手段なのだと思います。
飲食店・レストランで外食するのが面倒という消費者が増えていけば、飲食店・レストランの外食市場は、間違いなく縮小して行きます。
そうすると、店舗を構えないで、あるいは、客席をもたない飲食店・レストランが出現するかもしれません。
その昔、小規模零細の洋食屋さんや仕出し屋さんは、出前中心の商売を営んでいたものです。
ビジネス街の喫茶店だった純喫茶コロナ(エカワ珈琲店の前身)は、売上の半分以上をコーヒーやジュースの出前が占めていた時期もありました。
店舗を構えない出前専門の飲食店・レストランが、お客さんに素晴らしい飲食体験を提供できるようになれば、街中の不動産賃貸相場にも影響を与えるかもしれません。
飲食・レストラン業界の地殻変動ですが、静かに始まっているのかもしけません。