喫茶・飲食業界ですが、チェーン系店舗と独立系店舗との間で、競合が過熱しています。
何の特徴も無い差別化戦略を持たない喫茶店・飲食店は、その競合の中に埋没してしまっています。
アメリカ同様、ここ日本でも、独立系の喫茶店・飲食店が生き残るには、徹底的な差別化戦略を駆使する必要があるのだと思います。
だとすると、アメリカのマイクロ・ロースターに訪れたのと同じようなチャンスが、日本の小規模零細なコーヒー豆焙煎屋に訪れるかもしれません。
アメリカの小規模な喫茶店・飲食店ですが、競争の厳しいアメリカの喫茶・飲食業界にて、マーケティング戦略を駆使して頑張っています。
そして、差別化戦略の一つとして、コーヒー豆にこだわっているマイクロ・ロースター(地元の規模がそれほど大きくないロースター)から、店で使用するコーヒー豆を仕入れています。
日本の喫茶飲食業界も、商品・サービスそのものがマーケティングという時代に向かいつつあります。
ですから、日本の小規模零細なコーヒー豆焙煎屋にも、目の前に大きな市場が拡がりつつあるのだと考えています。
オートメーション化した大規模な工場で焙煎加工されているコーヒー豆と、バッジ処理にて小型焙煎機を駆使して焙煎加工している小規模零細なコーヒー豆焙煎屋の焙煎コーヒー豆は、全く異なった性質を持つ商品だとエカワ珈琲店は考えています。
大量生産・大量消費を前提とする商品と、少量生産・少量消費を前提とする商品が、外観的に良く似た商品であったとしても、同じ性質の商品であるはずがありません。
ということで、アメリカの小規模なコーヒー豆焙煎屋であるマイクロロースターたちは、「煎りたて、新鮮、香りの良いコーヒー豆」を供給することで、差別化を追及する独立系の喫茶店・飲食店の需要を獲得することができたのだと思います。
そして、アメリカのマイクロロースターは、自分たちの商品に対する需要の拡大に対応して、少しずつ生産規模を拡大しています。
2005年前後、もう少しインターネットについて詳しく知りたいということで、この本を購入して読んだ思い出があります。
で、エカワ珈琲店の場合です。
エカワ珈琲店のモットーは「これまでもパパママ店、これからもパパママ店」で、年齢が年齢ですから、設備の更新や新規の設備投資・規模の拡大は考えていません。
安定供給という面に不安があるので、ホールセールに積極的にチャレンジすることができません。
最近、この部分を解決する方法が存在するのではと、ふと考えました。
エカワ珈琲店のコーヒー豆の安定供給能力に問題が生じても、それをカバーしてくれる仲間のコーヒー豆自家焙煎店が存在していれば、問題は簡単に解決するかもしれないと。
同じようなこだわり嗜好を持つ、何店舗かのコーヒー豆自家焙煎店と協力関係を築くことができれば、規模の拡大や設備投資を考える必要が無いはずだと。
自動化された大規模な焙煎工場で焙煎加工されるコーヒー豆では、個々の飲食店舗の差別化戦略に対応できないわけですから、コーヒー豆の自家焙煎店がホールセールに対応できる能力を身に着けることができれば、飲食店のコーヒー需要の半分近くは、自然とコーヒー豆の自家焙煎店に流れてくる可能性もあります。
そして、残りの半分は、地域の中小規模ロースターの市場になる可能性が高いと思います。
チェーン系の喫茶店・飲食店と同じレベルの焙煎したコーヒー豆を使っていたのでは、独立系の喫茶店・飲食店の差別化はまず無理だと思いますから。
そうなれば、アメリカ同様、ここ日本でも、コーヒー業界の破壊的イノベーションが始まるかもしれません。
コーヒー業界の破壊的イノベーションが始まれば、資本力・営業力で焙煎したコーヒー豆を売る時代は終焉に向うはずです。
資本力・営業力に依存していては商売が成り立たなくなるわけですから、マーケティングに依存する時代がやって来るのだと思っています。
日本の流通・飲食・サービス業界は、アメリカの流通・飲食・サービス業界の数年くらい後方を走っているのだと思います。
第3の波と呼ばれているアメリカコーヒー業界の破壊的イノベーションが注目を浴び始めたのは、2010年前後の頃だったわけですから、もう、そろそろ、日本でも同様の現象が発生しても良い頃だと思うのですが。
日本の都市部ではアメリカコーヒー業界の第3の波的な需要が存在するかもしれませんが、地方では、独立系の喫茶店・飲食店に全く元気が無くなっているので、今のところ、そのような需要が存在しない可能性もあります。
でも、そのタイプの需要が地方にやって来るのは時間の問題だと思います。
エカワ珈琲店のようなコーヒー豆自家焙煎店は、そのタイプの需要に対応する体制はできていますが、地域の中小ロースターは、そのタイプの需要に対応する体制が出来上がっていないようにも感じられます。