「自家焙煎珈琲店めぐり」という有名なサイトに、自家焙煎コーヒー店と呼ばれている、ミニロースターのコーヒー豆販売価格を比較した表が掲載されています。
コーヒー豆100gの価格を比較したグラフですが、このサイトの取材力から推察して、今、もっとも信頼できるデータだと思います。(ただし、2005年時点でのデータです)
それによると、コーヒー豆100gの最低価格は、400円という店がいちばん多くて、次ぎに450円、500円と続いています。
東京23区だけなら、400円の店が最も多くて、次ぎに450円、550円と続きます。
そして、大半のお店が、400円から550円の間で最低価格を設定しています。
で、関西はと言うと、最も多いのが、最低価格300円のお店です。
次いで400円、250円と続いています。
そして、大半のお店が、250円から400円の間に最低価格帯があります。
ちなみに、エカワ珈琲店の最低価格は100gが300円です。
エカワ珈琲店の最低価格ですが、2005年当時、関西圏での普通の価格でした。
しかし、全国的な視点から見れば、かなり安い価格だったわけです。
何故なのだろうと、考えて見ました。
関西経済の地盤沈下も原因していると思いますが、それだけではないと思います。
関西は、もともと低価格大量販売の発祥の地です。
エカワコーヒー店がコーヒー豆の焙煎加工小売業を始めた20数年前、関西各地には、低価格を武器に、コーヒー豆を大量に販売している店が繁盛していました。
新たに、この商売に参入するに当たっては、当然、それらの店を参考にします。
その結果として、同じような形態のコーヒー豆焙煎加工小売店が増えていきます。
低価格でコーヒー豆を大量に販売する店が増えてくると、コーヒー豆を購入しやすくなりますから、家庭や事業所にレギュラーコーヒーが急速に普及します。
そうなると、コーヒーの香味に対するお客さんの要求も、厳しくなってきます。
コーヒー豆の焙煎加工技術というものは、どうしても、ある程度の経験を必要とする技術です。
理論的に理解していたとしても、それだけでは上手く煎れません。
新たに参入する店は、最初から既存の店と同じレベルのコーヒー豆を販売することなど不可能ですから、既存の店より高い価格でコーヒー豆を販売すれば、コーヒー豆が売れるはずがありません。
ですから、私どもを含めて、価格設定を低く抑えた店だけが生き残った結果、関西圏のコーヒー豆最低販売価格が、全国平均よりも安くなつているのだと思います。