読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

珈琲社会学

独断と偏見による、珈琲と食に関するエカワ珈琲店流の考察

新しいコーヒーの波を社会学的に考えると

コラム

1990年代、日本にはコーヒー豆自家焙煎店が存在していて、アメリカにはマイクロロースターと呼ばれる規模の小さいなコーヒー豆焙煎屋が存在していました。

当時、日本のコーヒー豆自家焙煎店もアメリカのマイクロロースターも、その勢いに大差が無くて、どちらも、大手や中堅のコーヒー企業とは比べ物にならないくらいの小さな存在でした。

 

2000年代に入ると、アメリカのマイクロロースターは「コーヒー第3の波」と呼ばれる繁栄を手に入れて、日本のコーヒー豆自家焙煎店は、ほんの一握りの店を除いて、何とか確保していた自分たちの市場を、大手・中堅のコーヒー企業やオフィスコーヒーサービス専業企業に奪われて行き、泣かず飛ばずの状況になって行きました。(特に、エカワ珈琲店は)

 

2010年代半ばになって、日本でも「コーヒー第3の波」的なコーヒー文化が脚光を浴び始めています。

アメリカの場合は地方の勢いのある町からでしたが、日本の場合は東京から始まっていて、今、その波が日本全国に波及しようとしています。

 

f:id:ekawa:20160812163903j:plain

 

2010年前後、アメリカで「コーヒー第3の波」と呼ばれる社会現象が発生しているのに、なぜ、日本でも同じような現象が発生していないのだろうかと考えていました。

日本のコーヒー文化よりもアメリカのコーヒー文化が、10年以上進んでいるからだと考えたこともあります。

 

現在(2016年1月)は、アメリカのコーヒー文化が進んでいて、日本のコーヒー文化が遅れていたとは考えていません。

2000年代のアメリカと日本とでは、社会的環境が相当に違っていたのだと思います。

 

アメリカは、グローバル経済の真っ只中にあって、国民間の所得格差が拡大していて、日本は、グローバル経済に足を踏み入れたばかりで、まだまだ中産階級が大多数を占める所得格差の少ない社会だったのだと思います。

 

グローバル経済の影響で国民間の所得格差が拡大したアメリカでは、マスマーケットに満足できない人たちが多数出現して、マクドナルドを卒業してスターバックスにやって来て、スターバックスでも満足できなくて「コーヒー第3の波」にやって来るという流れができたのだと思います。

 

そのように考えれば、スターバックスで販売しているコーヒーの値段や、「コーヒー第3の波」のコーヒーの値段が高級なのも納得できます。

グローバル経済が進行して、国民間の所得格差が拡大して、その結果としてマスマーケットが縮小して、新しい幾つもの消費市場が登場して来るのだと考えています。

もしかしたら、経済先進国でのマクドナルドの不振も、そのような事が原因しているのかもしれません。

 

2010年代に入って、日本でも、「コーヒー第3の波」を受け入れる社会的環境が整いつつあるのだと思います。

グローバル経済の副作用で国民間の所得格差が拡大していて、マスマーケットだけが消費市場では無くなってしまって、消費市場の拡散が始まっているのかもしれません。

 

グローバル経済の先進国から日本を眺めていると、日本のグローバル経済の進行度が相当にはっきりと観察できるのかもしれません。

だから、ブルーボトルコーヒーやシェイクシャックが、日本に上陸して来たのだと思います。

 

ということで、2016年のエカワ珈琲店は、焙煎コーヒー豆の消費市場の拡散化に対応する方向に商売の舵を切って行くつもりです。

エカワ珈琲店は、グローバル経済化がある程度まで進んだ国では、小規模な地方公共団体や小規模零細商売が再び注目されるようになるという「グローバルパラドックス」の理論を信じています。

 

追記/2016年9月17日

北米大陸で発生した「コーヒー第3の波」的な現象ですが、日本では、1970年代~1980年代にかけて発生していたのだと思います。

北米大陸の「コーヒー第3の波」をけん引しているのは、中小規模の焙煎コーヒー豆業務卸会社ですが、日本でも、1970年代~1980年代、中小規模の焙煎コーヒー豆業務卸会社が急成長しています。

北米大陸で「コーヒー第3の波」現象が発生するよりも約20年くらい前に、日本で、「コーヒー第3の波」的な現象が発生していたのですが、日本経済が停滞を続けている間に、北米大陸で発生した「コーヒー第3の波」現象が、日本の「コーヒー第3の波」的現象を追い越してしまったのだと考えています。