コーヒー豆自家焙煎店探索(下書き)

インターネットでコーヒー豆自家焙煎店に関する情報やコーヒーロースターの情報などを収集して、それを記録しています。

「コーヒー第3の波」市場は、日本にも存在しているのだと思います

アメリカの「コーヒー第3の波」で注目されている珈琲焙煎会社の主たる収益源は、業務卸(ホールセール)なのだと思います。

独立系の喫茶店や飲食店に、あるいは中小の独立系飲食チェーンに、あるいは高級食品スーパーやベーカリーチェーンに、バッチ式焙煎機を使って焙煎職人が焙煎するというストーリーを持つ「煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆(焙煎直後のコーヒー豆)」を供給することで、その業容を拡大して来たのだと思います。

 

「コーヒー第3の波」の先頭を走っている珈琲焙煎会社の1社ブルーボトルコーヒーが、今年(2015年)の2月、東京に進出して来ました。

「コーヒー第3の波」の先頭を走っている珈琲焙煎会社なら、当然、焙煎コーヒー豆の業務卸(ホールセール)に力を入れるだろうと思っていました。

 

ブルーボトルコーヒーが、日本で焙煎コーヒー豆の業務卸(ホールセール)に力を入れることで、日本のコーヒー豆業務卸(ホールセール)市場に波風が立って、日本中の珈琲屋さんを巻き込んだ地殻変動が発生することを期待していたのですが、その期待は、今年(2015年)の6月頃、アメリカから流れてきた、ブルーボトルコーヒーが業務卸(ホールセール)から撤退するというニュースによって打ち砕かれてしまいました。

 

ファンドから多額の資金を調達して、資金的に余裕を持っているブルーボトルコーヒーは、利幅の薄い業務卸(ホールセール)から撤退して、多額の資金が必要だけれども付加価値の高い喫茶店・小売りマーケットを中心に成長して行く戦略を採用するのかもしれません。

 

しかし、ブルーボトルコーヒーという黒船がもたらした波紋ですが、地方の町の小規模なコーヒー豆自家焙煎店にも、相当な影響をもたらしています。

スペシャリティーコーヒー=煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆という認識が、都会だけでなくて地方の町にも広がって来ている可能性があります。

 

喫茶店、飲食店向け業務卸については、大手・中堅コーヒー企業の寡占化が進んでいて、平成に入ってから、地方の弱小焙煎会社の廃業が続いています。

体力の違う大手・中堅コーヒー企業、地方の弱小焙煎会社が、レギュラーコーヒー豆という同じ一つの土俵で競い合えば、体力に勝る大手コーヒー企業が勝利を手にするのは、当然の結果なのだと思います。

 

コーヒー豆自家焙煎歴20数年のエカワ珈琲店も、何回も、何回も、喫茶店・飲食店向け業務卸を開拓しようと頑張ったことがあるのですが、すべて徒労に終わったという経験を持っています。

「煎りたて、新鮮、香りの良いスペシャリティーな焙煎コーヒー豆を、レギュラーコーヒー豆と同じくらいの価格で納入します」と営業しても、昔ながらの喫茶店・飲食店(ほとんどが個人店)に、全く、相手にしてもらえ無かった苦い経験を持っています。(言葉が通じ無かったのだと思います)

 

でも、最近は、少し様子が変わって来ています。

地方の町でも様子が変わって来ているのですから、おそらく、都会では、完全に様子が変わってしまっているかもしれません。

「煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆」に興味を示す喫茶店・飲食店の経営者が、地方の町でも増加しています。

 

エカワ珈琲店が積極的に業務店卸に挑戦していた頃、ひと昔前のこと、焙煎コーヒー豆を買ってもらっているステーキレストランのご主人が、「お昼の定食におまけに付けているコーヒーだから、品質よりも値段が安い方が・・・」と語っていたのを覚えています。

エカワ珈琲店は、そのレストランに、相当に安い価格でコーヒーを卸していました。

 

2015年の現在、そのような認識では、レストラン経営など成り立たない時代になっています。

独立系のレストランでなくても、食材の品質を強調する時代になっているわけですから、独立系のレストランなら、より一層、食材の品質を重視して差別化を模索する時代になっているのだと思います。

 

ブルーボトルコーヒーの業務卸(ホーセール)からの全面撤退が示すように、アメリカの独立系喫茶店・飲食店需要については、そろそろ飽和状態に近づいているのかもしれません。

それに、「コーヒー第4の波」ということで、コーヒー豆自家焙煎店(ナノロースター)がすごい勢いで増加しているようです。

 

しかし、日本の喫茶店・飲食店向け業務卸については、大手・中堅コーヒー企業への寡占化が進行していて、レギュラーコーヒー豆の独壇場となっています。

ですから、日本の「コーヒー第3の波」市場については、大きな可能性を持つ未開拓市場なのだと思います。

 

そして、その未開拓市場を開拓する能力を持っているのが、中小の焙煎屋さんやコーヒー豆自家焙煎店だと考えています。

業務用レギュラーコーヒー豆需要の10%~20%が、煎りたて新鮮な焙煎コーヒー豆需要に移行するだけで、中小の焙煎屋さんやコーヒー豆自家焙煎店の焙煎量と売上げが大幅に増加するはずで、そのための特別な設備投資は必要ありません。

 

「煎りたて、新鮮、香りの良いスペシャリティーな焙煎コーヒー豆」に興味を持つのは、独立系の喫茶店や飲食店だけとは限っていません。

アメリカ流通視察などで、アメリカの流通・飲食事情に精通した企業が興味を持つことだってあり得ます。(アメリカでは、クラフト、地産地消に注目が集まっています)

 

コーヒー豆自家焙煎の世界には、20代後半から30代中頃までの若い人たちが参入して来ています。

その世代で、コーヒー豆自家焙煎に興味を持っている人たちが、大勢いるようです。

若い人たちのエネルギーにはものすごい勢いがあるので、あっという間に、日本のコーヒー業界の地形図が塗り替わることも有り得ると思っています。

 

エカワ珈琲店の場合、日本コーヒー業界に地殻変動が発生して、大手コーヒー企業に地方の零細なコーヒー豆自家焙煎店などを構っている余裕が無くなって、エカワ珈琲店の周辺から奇想天外で馬鹿馬鹿しい障害物が取り除かれたなら、昔ながらの地域密着型焙煎コーヒー豆小売販売で十分に生活して行けるだけの実力を持っていると自負しています。

 

エカワ珈琲店の現在のお客さんは、和歌山県外を含む遠方からの来店客と通信販売のお客さん、それに喫茶店・飲食店向け業務卸で、店舗周辺地域からのお客さんは皆無です。

しかし、10数年前までは、店舗周辺地域から来店してくれるお客さんが中心の地域密着型焙煎コーヒー豆小売専門店でした。

 

その経験から、エカワ珈琲店の店舗に地域のお客さんを呼び戻す方法は、ただ一つ、日本のコーヒー業界に地殻変動が発生して大手コーヒー企業が弱体化することだと考えて、日々、その方法の研究に没頭している今日この頃です。