あるコーヒー豆自家焙煎店の生産性

コーヒー業界ですが、外資系コーヒー企業と新興の一部の元気の良いコーヒー企業を除くと、相当に生産性の低い業界となってしまっています。

食品業界の中では、原料費比率の低い方に入る製品を商っているのに、利益はというと、赤字と黒字の間を彷徨っていたりするわけですから、生産性の高いはずがありません。

 

2015年のサービス産業 ―稀少モデルから豊富モデルへの大転換

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  • 作者: 野村総合研究所サービス産業生産性革新プロジェクトチーム
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2010/04/23
  • メディア: 単行本
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そのコーヒー業界で、比較的、生産性の高い商売を営んでいるのが、パパ・ママ経営の自家焙煎コーヒー豆小売店なのだと思います。

たとえば、典型的な零細生業、パパママ経営の私たちエカワ珈琲店です。

 

もう何年間も新規投資を行ったことがないので、初期投資の資金など、とっくの昔に回収してしまっています。

自宅兼店舗の軒先商売ですから、毎月1万円ほどの固定資産税・都市計画税が必要ですが、家賃は必要ありません。

和歌山市雑賀屋町のエカワ珈琲店周辺の1坪あたりの家賃(月額)は、大体、3000円~5000円くらいが相場なのだと思います。

 

カフェという場のつくり方: 自分らしい起業のススメ

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 【参考までに】

エカワ珈琲店ですが、著者の山納さんには、 何回か取材を受けています。この本を書くにあたって、著者の山納さんは、ものすごい量の取材活動をされていました。

日本の喫茶店に詳しいライターの中の一人なのだと思います。 

common cafe(コモンカフェ)―人と人とが出会う場のつくりかた

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ですから、家賃を支払っているのだと仮定すると、毎月10万円以上は必要になるはずです。それに、自宅兼店舗ですから、仕事にも自分たちの生活にも活用しています。

 

もちろん、経費と生活費の区別もあやふやで、仕事をしているのか、生活を営んでいるのか、外部からみれば判別するのが難しい、けじめの無い日々を過ごしています。

ようするに、遊んでいるのか、働いているのか見分け難い気楽な働き方をしているのですが、それでも、夫婦2人、人並みに食べて行けるわけです。

 

エカワ珈琲店は、俗に言う「インフォーマル・セクター」に属する自営業者なのだと思います。が、損益分岐点売上高が相当に低くても食べて行ける商売構造ですから、生産性はまあまあ高いわけです。

パパ・ママ経営で人を雇用する体制になっていないのですから、人件費の伸縮性は抜群です。

売上がよければ人件費が上昇して、悪ければ下降します。売上に合わせて、自分たちの生活レベルを調整しているわけですから。

 

時間が許せば、副業を営むこともアルバイトで働くこともできるわけで、それも、売上・収入に計上できるわけです。

エカワ珈琲店は、インターネットを利用して、これまでの経験・知識・技術を生かすことのできる副業に挑戦を開始しています。

 

そのような商売構造になっているので、例えば、日本最大手の関西系コーヒー企業に、時代遅れの営業手法で狙い撃ちされたとしても、生き残ることができる構造になっています。

何といっても、従業者一人当たりの売上ですが、大手コーヒー企業の数分の1くらいのの売上で、何とか食べて行けるわけです。

 

おそらく、私たちエカワ珈琲店ですが、日本最大手の関西系コーヒー企業と比較すれば、相当に生産性の高い商売を営んでいるのだと思います。

もしかしたら、コーヒー業界の片隅で棲息している零細生業のパパママ店が、コーヒー業界の主流を歩んでいるコーヒー企業と、同じか、それ以上の生産性を確保しているという所に、日本経済停滞の原因があるのかもしれません。