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珈琲社会学

独断と偏見による、珈琲と食に関するエカワ珈琲店流の考察

エカワ珈琲店の価格戦略

20何年か前のこと、自家焙煎コーヒー豆の小売販売を始めた頃、コーヒー豆は高級品というイメージが強くて、百貨店のコーヒー豆売り場はもちろんのこと、量販店でも相当に高い小売価格が付いていました。

その時代、自家焙煎コーヒー豆を、圧倒的な低価格設定(浸透価格)で小売販売している店が、少数ですが存在していて繁盛していました。

 

 

 

我がエカワ珈琲店は、コーヒー豆の価格設定に、その浸透価格(低価格販売)を選択したわけです。

人の倍働いて、人並みの収入を得るという、その頃としては、一番手っ取り早くて安易な商売の手法を選択しました。

 

家庭用コーヒー豆の需要が成長期に入ろうとしていた時期で、低価格販売の効果は抜群で、新聞の折込チラシで宣伝するだけで、無名の我がエカワ珈琲店に、多数のお客さんが来店してくれました。

最初の頃、順調に業績が伸びたのですが、我がエカワ珈琲店のコーヒー豆小売価格よりも、量販店のコーヒー豆販売価格が相当に安くなった段階で、店舗販売の成長が止まってしまいました。

 

自家焙煎コーヒー豆の小売店を開業するについて、相当な設備投資をしていたので、普通は、開業に要した費用を回収できるくらいの価格、ようするに、上澄み吸収価格での価格設定が必要だったのですが、目の前の繁盛に目がくらんで、低価格販売を選択してしまいました。

その後遺症で、資金繰りに苦しむことになりました。

 

その後、オフィスコーヒー需要を取り込むことで、店舗販売の停滞を補って余りあるだけの売り上げを確保することになったのですが、こちらの方も、浸透価格での販売でしたから、貧乏暇なしの状態は相変わらずでした。

 

オフィスコーヒー需要の場合、コーヒーメーカーを無償貸与して、コーヒー豆を購入してもらうということで、とりこ価格的な価格設定が必要なのですが、零細な個人事業者ではそうもできず、店舗同様の低価格販売を選択してしまいました。

 

オフィスコーヒー需要が好調だった期間も、それほど長くは続かず、大手のオフィスコーヒー専門会社が進出してくると、瞬く間に、その市場から弾き飛ばされてしまいました。

 

大手オフィスコーヒー専門会社の販売手法は、無料の試飲期間を設けて、契約書を作成して、無料の試飲期間終了後は、契約期間中コーヒー豆を定期的に契約額以上購入してもらうというもので、マーケティングと営業力をミックスした人海戦術を駆使する販売手法だったのですが、地方の町では効果抜群だったわけです。

 

ということで、20年以上自家焙煎コーヒー豆小売専門店を営んでいて、コーヒー豆の価格戦略でも、いろいろと失敗を重ねてきたと反省しています。

十分な利益を確保できなければ、個人店の場合、商売を継続するのが難しいわけですから、価格競争は絶対に避けるべきだと、最近になって理解できました。

もう少し早い時期に理解できていたら、と悔しさがこみ上げてきます。

 

価格設定の方法として、店側の売りたい値段で価格を設定するコストプラス法と、お客さんに買ってもらえる値段で価格を設定する市場価格基準法が知られています。

個人零細事業者の場合、市場価格基準法を採用すれば、貧乏暇なしの状態になってしまいます。

エカワ珈琲店は経験から、コストプラス法で価格設定をするべきだと思っています。

 

店舗販売での価格設定ですが、昔も今も、300円・350円・400円と、50円くぎりの設定をしています。

298円・390円というように、お買い得感のある端数価格(はすうかかく)の設定にしようと考えたこともあるのですが、集計・整理のわずらわしさを考えると、どうしても採用する気持ちになれません。

 

ただ、300円の商品・350円の商品・400円の商品・500円の商品というように、段階価格は採用しています。

段階価格の場合、理論では、高い価格(500円)よりは値ごろ感があって、一番安い商品(300円)の購入は少し気が引けるということで、350円・400円の商品が一番良く売れることになっているのですが、我がエカワ珈琲店の場合、400円の商品が一番良く売れています。