イギリスのコーヒー企業「リンカン&ヨークリミテッド/Lincoln&York Ltd」が、巨大なコーヒー豆焙煎機を導入したという情報が、ローストマガジン社のニュースサイト「Daily Coffee News」に掲載されていました。(2014年7月23日に掲載された記事)
上の写真は、『リンカン&ヨークリミテッド/Lincoln&York Ltd』のホームページに掲載されている写真からの引用です。
リンカン&ヨークリミテッド、イギリスおよびヨーロッパの小売事業者や食品・飲食関係事業者に、プライベートラベルの焙煎コーヒー豆製品を供給している会社です。
社長のJames Sweeting と Simon Herringが1994年に創業した会社で、僅か20年足らずでイギリスコーヒー業界のリーディングカンパニーに成長した会社です。
日本の委託(共同)焙煎工場に似た業態のコーヒー会社だと思うのですが、コーヒー企業やコーヒー関連商品を製造している企業ではなくて、小売事業者や食品・飲食関係事業者をターゲットに商売を営んでいるコーヒー会社なのだと思います。
営業力に依存している会社ではなくて、マーケティングへの依存度が高い会社なのだと思います。
だから、僅か20年で、イギリスを代表するコーヒー企業に成長することができたのだと思います。
1994年といえば、エカワ珈琲店がコーヒー豆の自家焙煎を開始して数年が経過した頃で、相当量の焙煎コーヒー豆を売りさばいていた頃です。
それから20年、エカワ珈琲店の焙煎コーヒー豆販売量は、当時の3分の1くらいにまで減少しています。
イギリスの2人の若者が起業した『リンカン&ヨークリミテッド』は、イギリスを代表するコーヒー企業に成長しているのですから、エカワ珈琲店の商才の無さを再確認させられてしまいます。
イギリスを含めてヨーロッパの業務向けコーヒー市場ですが、自社ラベルを展開しているコーヒー企業の市場については縮小傾向にあるのかもしれません。
その縮小傾向にあるかもしれない市場で、自社ラベルを展開している企業間の熾烈な競争が続いていて、その競争に遅れをとったコーヒー企業が苦戦をしているという構図が存在するのかもしれません。
『リンカン&ヨークリミテッド』は、自社ラベルではなくてプライベートラベルというマーケティング戦略を駆使して、業務向けコーヒー市場で急成長しているのだと思います。
受注生産ですから在庫を持つこともなくて、鮮度の良い製品を市場に提供できるわけですから、急成長するのも理解できます。
イギリスを含むヨーロッパの業務向けコーヒー市場ですが、営業力・販売力で勝負する時代が終了していて、マーケティング力で勝負する時代に突入しているのだと思います。
だとすると、日本にも、もうすぐ、そのような時代がやって来るのかもしれません。
大手コーヒー企業中心の日本のコーヒー業界にも、もうすぐ新しい風が吹いて来て、下克上的な面白い時代がやって来るのかもしれません。